箱男
書名 | 箱男 |
作者 | 安部公房 |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 1973/3 |
単行本 | 191ページ |
[本の紹介](「BOOK」データベースより)
ダンボール箱を頭からかぶり、街をうろつく箱男が主人公である。 主人公である箱男(自称では元カメラマン)の独白によるメモという設定から始まるが、話の進行につれ一人称の主体は曖昧になり、ほかの登場人物もすべてが箱男の妄想であるように考えられるかと思えばまったく予期しない人物による独白に変わったりと場面の展開(文体の展開?)が著しい。 主人公の箱男がカメラマンであることやさまざまな挿話からも、見ることと見られることの関係をテーマにしている。 箱男にとって箱とは結局、生活する家である以上に、常に相手に自身を見られることなく世界を覗く道具である。 また箱に入ることで社会的存在を放棄し匿名の人物となる。 このことから箱男はなかなか箱から出られないし、他人に見られることを怖がる。
[評価]:★★★★
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更新情報
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評価 | ★★★★ |
感想 | かなり面白い |
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各年のbest5
2022年個人的1位
ノースライト
横山秀夫: 著
新潮社: 刊
横山氏はこれまで警察小説を多数書いてきたが、本作では主人公が一級建築士という横山小説の中では異色の作品。後半は畳みかけるような展開で読み終わってみると、大変面白い作品だったな、と。このミス2位もうなずける。
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2022年個人的2位
欺す衆生
月村了衛: 著
新潮社: 刊
昭和最大の詐欺事件、横田商事事件の残党が集まり、新たな詐欺を仕掛けるという話で、最初は気弱なサラリーマン風だった主人公がどんどん詐欺師として頭角を現していくのには恐怖すら感じる。詐欺の手法が比較的わかりやすく描かれているし、文章が読みやすいのでスラスラ進んだ。
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バーニング・ワイヤー
ジェフリーディーヴァー: 著
文藝春秋: 刊
リンカーンライムシリーズ9作目。今度の犯人は電気を操る。送電システムに入り込み、アークフラッシュによって人を焼死させる。人質はニューヨークの送電網。電気を操作することによってより多くの人間を瞬時に殺すことのできる犯人に対してライムたちはいつも通りの科学捜査によって犯人を追い詰めてゆく…。
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同志少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬: 著
早川書房: 刊
狙撃兵を主人公にした小説は珍しくないけれども、それが女性というのは珍しいかもしれない。れっきとした冒険小説でありながら、第2次大戦の独ソ戦を描いた歴史・時代小説でもある。ソ連には実際に女性を狙撃兵にしたという史実があるらしい。
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孤狼の血
柚月裕子: 著
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暴力団との癒着を噂される凄腕ノンキャリ刑事・大上とその下で働くことになった新人の主人公・日岡が広島を舞台にその地で勢力を2分する暴力団を相手に切った張ったの活躍を繰り広げる正統派ハードボイルド。
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